小学6年生の亮太には、大好きな親友、健太がいた。
二人はいつものように学校の帰り道、一緒に公園で遊び、将来の夢を話していた。
「健太!中学生になったら、一緒にサッカー部に入ろうな!」
しかし、健太は突然、遠い町へ引っ越すことになった。
亮太はショックを受けたが、健太は「手紙を書くから、必ずまた会おう」と約束してくれた。
激しく握手を交わし、再会を信じて別れた。
それから、亮太は毎日ポストをチェックした。
でも、日が経っても手紙は考えない。
最初は「きっと忙しいんだ」と自分を納得させていたが、やがて健太からの手紙は来ないのではないという不安が膨らんでいった。
そして、中学生になっても、亮太は健太のことを忘れられずにいた。
手紙も、連絡もないまま、時間だけが過ぎていく。
ある日の夕方、明太が昔の公園を歩いていると、偶然、古びた郵便受けが目に留まった。
表には「亮太へ」と書かれていました。
懐かしい手で封筒と、そこには健太の字で書かれた手紙があった。
亮太へ
ごめん、ずっと手紙を書かなくて。実は引っ越し先で大変な事になって、しばらく家族もバタバタしてたんだ。
でも、君との約束をずっと忘れてなかったよ。
君とサッカーをまたやりたかった。 でも、サッカーができない体になってしまったんだ。
事故に遭って、走ることができなくなったんだよ。君と過ごした時間、僕にとって一番楽しかった時間なんだ。
ごめんな、サッカー部と一緒に入る約束、守られなくて。
健太
亮太は手紙を抱きしめ、涙が溢れて止まらなかった。
健太との約束が果たせなかった悔しさと、友達の覚悟を知って忘れた別れが胸を締めた。
しかし、亮太は健太と思い出を大切にしようと決意した。
彼は健太のためにも、強く生きることを覚悟した。
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