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兄のリュック

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私には、3歳上の兄がいた。

兄は僕のヒーローで、どこに行くにも一緒だった。

兄のリュックには、いつも大事な道具が詰まっていて、それを積んだ兄の姿は、まるで本物の冒険者のようだった。

しかし、中学生になった頃から、兄は少しずつ変わっていた。

学校でのことを僕に話さなくなり、家でも笑うことが少なくなった。

何か悩んでいるがあるのは感じていた。でも、私にはどうすることもできなかった

ある日、兄が突然、家を出た。 僕が学校から帰ってきたと、母が泣きながら「兄がいなくなった」と言った。

僕は信じられなかった。 どこかへ行ってしまったなんて

それから数年が過ぎた。

兄からの連絡は一切なく、家の中にはぽっかりと穴が開いたようだった。

母も父も、兄の話することがなくなった、僕だけが兄のことを忘れられずにいた。

やがて、僕は家の押し入れを整理していると、兄の古いリュックを見つけた。

懐かしくて手に取って、リュックの中に何か入っているのに気づいた。

古びたノートと一通の手紙が入っていました。手紙には、

弟へ

突然いなくなってごめんな。ずっと一緒にいたけど、僕は自分のことでいっぱいになってしまった。

学校のこと、友達のこと、いろんな辛くて、逃げたくなってしまった。

でも、あなたのことはいつも心配してたよ。

僕がいなくても、ちゃんとやっていけるかどうか。

いつか、また会える日が来るといいな。 その時は、昔みたいに一緒に冒険しよう。

「兄より」

私は手紙を読みながら、涙が止まらなかった。兄はいつも私のことを気にかけてくれていた。

でも、兄の手紙を読んで、僕は先に進む力をもらった。

いつか兄に会えるその日まで、僕は兄が背負ってリュックを持って、強く生きて行こうと思った。

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