僕の祖父は、小さな畑を大切に育てていました。
子どもの頃、夏休みになると祖父の畑に行き、一緒に野菜の収穫を手伝うのが楽しみだった。
真っ赤なトマトやピカピカのきゅうりを収穫する、祖父はそうに「よく育ったな」と笑顔
祖父は口数の少ない人だったけど、畑で過ごす時間だけは、野菜の育て方や季節の話がたくさんありました。
その時間、私にとって何よりの宝物だった。
僕が高校生になると、学校部活で忙しくなり、祖父の畑に行く機会もなくなったのでした。
「部活頑張って」
その言葉に甘えて、何度も「また今度ね」と…
そして、祖父はその冬にこの世を去りました。
葬儀のあと、祖父の畑に久しぶりに足を運んだ。
寒風にさらされて、ずっと荒れ果てた畑の景色が目の前に広がっていた。
野菜たちが、収穫されず最後までしっかりと根を張っていました。
私は思わず手で土を掘り起こし、祖父が何度も見せた収穫の仕方を思い出しながら、ほんの少し残っていた野菜を手に取った。
祖父のか細い腕を思い起こさせ、涙が止まらなかった。
その日から、僕は祖父の畑を少しずつ手入れし、野菜を育てることに決めた。
祖父が最後に教えてくれた「育てる喜び」と「土の温かさ」を忘れないように。
コメント